宮司の仕事の傍ら国語教師の実践を著述

富田直次郎先生(旧教職員・国語:昭和42年~52年在職)が、このほど『堪忍袋第二集 読み分け理論の巻』(株式会社22世紀アート)を出版されました。先生にとって『堪忍袋 人は何のために生きるのか』(文芸社 2016年)に次ぐ二冊目の著書となります。(写真上)

先生は、現在、蒲神明宮(浜松市東区)宮司であるほか17社の神社を兼務されています。また、静岡県教育関係神職協議会会長、SBS学苑「神道入門」講座講師などを務め、多忙な日々をお過ごしです。

 国語教師として生徒の読解力を高めるため、まずは、教える側が教材を理解できないのではいけないとして教材研究に力を注ぎました。教材研究の深さを知ることができます(「鶴脛とは何か」)。

また、文の構造の研究をとおして独自の「読み分け理論」を打ち立て、生徒たちの現代文の読解力を向上させる上で大いに貢献できたといいます。そうか、富田先生はこんな準備をして授業に臨んでいたんだ。

はぐま祭ホームルーム展 映画づくりの話も

 こうした国語の授業論のほか、ホームルーム担任として、文化祭で生徒たちと一緒に映画づくりに取り組んだ経験から学んだことも記されています(「殺しのバラード」)。

「堪忍袋」とは、先生が浜松南高校で教育相談を担当されていた時に作っていた教育相談室だよりの名前です。教育相談室の存在を広く生徒たちに知ってもらうための広報活動と教師が負っている個人情報の守秘義務の間で、業務推進の在り方を模索したことが丁寧に記録されています。また、現在の神職の仕事もある意味で教育相談の延長線上にあるといいます(「教育相談にとって広報活動はいかにあるべきか」)。 

 前作『堪忍袋 人は何のために生きるのか』も是非手に取ってお読みください。先生の人間愛、探求心、こだわりがよく分かります。

 『堪忍袋第二集』は、一般書店には並んでいませんが、アマゾンで注文することができます。

前作『堪忍袋 人は何のために生きるのか』
(文芸社 2016)