バングラデシュ ダッカ日本人学校へ

中学校教員を2年前に定年退職し、在外教育施設シニア派遣制度で海外の日本人学校に勤める道を選んだ。赴任先の通知は12月末に届き、そこには「ダッカ日本人学校」とあり、さっそくググってみると、バングラデシュ、発展途上国、テロ、大気汚染など、なかなかの国らしい。

ダッカ日本人学校は幼稚園~中学校の子供たち約50人の小規模校だが、複式での授業は行わず、なかなか多忙だった。校庭は狭いながらもベンガル芝が広がり、遊ぶにはもってこいで、幼稚園から中学生までが一緒に遊ぶ姿は他では見られないものだろう。私も子どもたちと汗だくで遊び、50年ぶりに挑戦した逆上がりと跳び箱がしっかりとでき、ちょっとしたヒーローになったこともあった。

避難訓練はテロを想定

 学校を囲む塀はテロ対策として4~5メートル程の高さで、車やスクールバスも二重扉のゲートで車底などのセキュリティチェックを受けないと入れない。2016年に日本人も犠牲になったテロ事件以来一層厳しいものになったと聞いた。避難訓練もテロを想定して行っている。

路上にはストリートチルドレン

休日は自転車で市場など人々が集うところによく出掛けた。バングラデシュの人達は人懐っこく、よく話しかけられた。現地語のベンガル語での会話は無理だったが、お互い片言英語でなんとかなった。路上にはストリートチルドレンも多く、彼らに英語は通じなかったが、ほとんどの場合通りすがりの人が通訳してくれた。

ストリートチルドレンと一緒に

他国にも数回出掛けた。テニス仲間と「合宿」と称してさらに暑いタイに行ったり、ヒマラヤ山脈を間近で見るためにネパールにトレッキングに行ったりした。海外旅行に対する苦手意識も今はほとんどなくなり、これからも時間と予算が許せば出掛けたいと思っている。

任期を終えて

2年の任期を終え今年3月に帰国した。幸いにも、仕事の心配をしてくださる方がいて、現在、静岡大学教育学部特任教授と常葉大学非常勤講師として理科教育や教員養成に携わっており、自分の経験を生かせればと思っている。