校長退職後、念願の鍼灸師養成学校に入学

2018年3月末に60歳で母校の校長退職後、念願の鍼灸師養成の専門学校に入学しました。バラ色に輝く3年間の学生生活を満喫しようと、心躍らせて入学したのも束の間、鍼の扱いと艾(もぐさ)の捻り方に「悪戦苦闘」、ひたすら覚える定期試験、手汗びっしょりの実技試験、順位がついた成績表、そうそう当番としての教室掃除や御用聞きもありました。3年生の2月に名古屋での国家試験、合格率80%を超える専門学校だから楽勝かと思いきや、実は学校の模擬試験に合格しないと国家試験が受けられないからくりがありました。高卒後入学した若者からキャリアアップを目指す30~50歳代の中高年まで、同級生は様々。途中リタイヤした人も何人かいましたが、おじさん・おばさんだけの忘年会や研修旅行での飲み会は楽しい思い出です。

国家試験まで17日の教室にて

「灸処 養生庵」を開業

卒業した年の秋、自宅の一室を改装して「灸処 養生庵」を開業しました。保健所と税務署への届出や慣れない確定申告、自分の施術に対して直接お金を頂くことなど、縁のなかった自営業の世界は新鮮でした。専門学校で「悪戦苦闘」した鍼灸治療と干渉波治療を基本に、大阪岸和田の師匠から学んだ仙骨調整、さらにヒーリング療法を取り入れて、自分のスタイルで自分のやりたいように、日々楽しんでいます。今は、治療に来た方の痛みが和らいで、表情が明るくなるのを見るのが、本当に幸せだなと感じています。

人生で「やり遂げたいこと」は?

私は最近、自分と向き合う時間と機会を得て、この人生で「やり遂げたいこと」を時々真剣に考えます。世の中に目を向けると、日々変化する不安定な世界情勢、これまでにはなかった残忍な事件の頻発、想定される大規模自然災害など、私たちの予想を超える混沌とした事態が現実になるかもしれません。でも大丈夫、皆さんそれぞれが、外からの目に振り回されることなく、自分で自身をしっかり見つめることができれば。私も「やり遂げたいこと」の実現に向けて、さあ、始めるか。