11月19日(土)、本年度3回目となる新校舎工事現場の見学会が開催されました。
「新しい校舎とつくり手たち~出来てからでは見えない校舎の裏側~」と題する3回シリーズのこの見学会は、静岡県交通基盤部建築管理局が企画したもので、校舎建築に関わる3者(「発注者」「施工者」「設計者」)が、在校生に建築という仕事の面白さを伝えることをねらいとしています。
3回目となった今回は、設計者の立場から「設計する」とは何をするのか、また、どんなことに留意して設計しているか等について、設計を担当した針谷設計事務所(静岡市)の担当者から説明がありました。話の概要は次のとおり。
学校の「これまで」と「これから」を考えて設計
設計には大まかなイメージを描く基本設計の段階と詳細な設計をする実施設計の段階があり、基本設計では、学校のこれまで(国分寺や今之浦の歩み)とこれから(未来)を考え、風光明媚なこの土地の優位性、美しさを維持していくことを大切にした。
「南北分棟」ではなく、「ロの字型」校舎
校地内に特別史跡遠江国分寺遺跡があるため、南北分棟ではなく、ロの字型の校舎とし、3階建ての特別教室棟と4階建ての普通教室棟を組み合わせる校舎とした。回遊式の構造であり学年を跨いだ交流を誘発する。
1階 事務室・図書室・視聴覚室など
2階 職員室・普通教室・特別教室
3階 普通教室・特別教室
4階 普通教室・天体観測室 屋上に天体ドーム
正門から真っ直ぐ歩いて来ると校舎への入り口となり、その軸線に生徒モール(移動通路)配置した。外部テラスから今之浦の素晴らしい街並みや富士山を望むことができ、その美しい景色は生徒の記憶に長く留められるのではないか。中庭には自然と生徒たちが集い、憩いの場や様々な活動の場となる。
的を射た質問多数 3月1日竣工予定
生徒たちから、「階段が混雑することはないか?」「耐震強化の方法は?」「全国にロの字型の校舎はあるか?」等、たくさんの質問が出されました。
その後、ヘルメットを着用して工事中の新校舎に入り、現場を見ながら一層具体的な説明を受けました。参加者一同、設計という仕事の奥深さと幅の広さを知り、来春の完成を待ち遠しく思いました。