枯葉を踏みしめながら歩くとき私は思いだす

私の学校と仲間(詩人)たちの事を

歌を口ずさみながら何度登ったことだろう

私の学校の丘を

いつも太陽が私を灼いていた

そして私も生涯を終えようとしている

やがて時が告げるだろう

もう歌うことは出来ないと

その時、傍らにあるわが青春のギターを懐かしむことだろう

「枯葉」ネルソン・カバキーニョ(サンバの詩人)

…サンバの詩人ネルソン・カバキーニョの「枯葉」の歌詞です。枯葉と言ってもマンゴーの木の葉、学校もサンバ学校の事なんですが。

高校2年の夏に聞いたボサノバから30年 音楽を生業に

私とブラジルの音楽との出会いは高校2年生の頃でした。ラジオから流れていたジョアン・ジルベルト。大きくて寛容的なゆったりとしたボサノバのリズム、ギターの透き通るような響き。外では、灼熱の太陽が照り付ける夏の日だったかもしれません。次第に音楽の世界に魅了されてギターを取っていました。

都内ライブ演奏にて

ショーロと言う音楽をご存知でしょうか。19世紀にブラジルで生まれた器楽で、フルートや、ギターなどの弦楽器、打楽器などで演奏されます。直にショーロを感じて学びたいと、リオデジャネイロに渡りました。開けっぴろげで大らかな愛らしいブラジルの人たち。ショーロはそんな方たちの手によって奏でられる知的で豊かな音楽文化でした。共に音で会話する楽しさやスイングする醍醐味、機微に富んだセンチメンタルなハーモニーとメロディ。ブラジルの音楽から様々な知識と財産を享受することが出来、それが今も続いています。

高校2年の夏に聞いたボサノバから30年の月日が流れていました。音楽を生業でやっていると自分の不出来さや経済的なことなどなど、正直めげてしまうこともありますが、あの夏に聞いたボサノバのリズム、歌を口ずさみながら登った高校の丘を、傍らのギターと一緒に思い出しつつ、日々音楽活動と向き合っています。