チャレンジ精神を尊重し失敗を許容する社風

失敗を恐れず最後までやり抜く     

2022年の暮れ、ちょうど浜松ホトニクスに入社して40年、そして創業70周年となる節目の年に、第4代目の社長として業務を執行する事になり、緊張と重圧の中で日々を過ごしています。

この40年を振り返ってみると、チャレンジする精神を重んじ、失敗を許容する当社独特の社風の中で、猪突猛進、ただひたすら前を向いて突き進んで40年を過ごしてきたように思います。30歳を過ぎたころから英語もしゃべれないのに欧米社会に単身で飛び込んでいき、多くの失敗と挫折を繰り返しながら学んだ事は、失敗を恐れず、決して諦めないで最後までやり抜く事、そしてグローバルな思考を持つ事でした。失敗を恥ずかしい事ではなくチャンスだと思う事。失敗から学ぶ事は沢山あるはずで、なぜ失敗したのかを客観的に突き詰め、次のチャレンジの糧にしていけば、いつかは成功へとたどり着くんだと体で会得しました。

グローバルな思考・欧米の合理的な思考を学ぶ

そしてもう一つ重要な事はグローバルな思考を持つ事です。30歳過ぎから50歳代まで1年の半分以上を欧米で過ごしてきましたが、欧米では阿吽の呼吸、とか忖度という日本人独特の考えは通用しません。常に議論の中で自分の意見を明確に表明することが求められます。議論ができなければ、どんなに素晴らしい技術や知識、才能を持っていても、能力がないと判断されてしまいます。それも英語で話さないといけません。これは日本人にとって大きな壁であり、本当に苦労しました。日本人は英会話が苦手ですから余計にシャイになってしまいます。肌で欧米の合理的な思考を学ぶことで、いつしか彼らと対等な立場で議論ができるようになりましたが、逆に日本では異色な人間としてはみ出しそうになり、思い悩んだ事も今では良い思い出です。

自分にとって創業70周年はスタート地点です。創業100年を迎えても成長し続けられる当社の土台を作る事が自分の使命だと思って、これからも前を向いて突き進んでいきたいと思います。

ボストンフェンウェイパーク(Fenway Park)にて
アメリカ現地法人の人達とBoston Red Soxの野球応援(2023年6月)