盲学校 半数は当事者の発意で主体的に設置
『近代日本盲教育史 当事者主体の教育とは何か』(不二出版、2024年7月)という本を出版しました。私は、視覚特別支援学校(盲学校)の教員で盲教育史の研究もしていますが、一般にはあまり知られていない近代日本の盲教育の通史を書きたいと思い執筆しました。
明治期から設立された96校を調べましたが、そのうち47校は全盲や弱視者の当事者が個人や団体の支援を受けて主体的に設立されたものでした。半数近くの盲学校が当事者により設立された、この当事者の主体性こそ近代盲教育の特質だと考え、これを軸に71校の学校設立の歴史を明らかにし、通史をまとめました。拙いものではありますが、10年かかった作品で多くのみなさまのご助力、ご支援のおかげで何とか刊行できて、ほっとしています。
視覚特別支援学校の統廃合 教育の専門性の担保が課題
現在視覚特別支援学校は生徒数が激減し他の特別支援学校との統合など統廃合が現実のものとなっています。こうした中、個々の生徒のニーズに応じ視覚特別支援学校の専門性をどう担保するかは大きな課題です。こうした現状と課題を知っていただくためにも多くの方に拙著を読んでいただければと願っていま