11月19日(水)から30日(日)まで、クリエート浜松において古希回顧展を開催します。29日(土)14時から「ギャラリートーク」も行います。

          牡丹                  うつぎ

個展開催に寄せて 金原宏行(豊橋美術博物館元館長)

私は、竹内雅明さんの作品の前に立つと爽やかな気持ちになる。画面には作者の内面が表れてくるからだと思われるが、清らかな作品は、彼の誠意ある人柄と姿勢をよく反映していよう。

竹内さんは、好きな絵の道で生きていくと決めると、一点一点の絵を誠実に描くことを実践しつづけて、今日に至っている。描かれた人物には、彼のやさしい眼差しが映し出されて作品に宿り、風景や自然の姿には、凜とした緊張感が漂い魂をゆさぶられるような美しさがある。素直な筆使いには地道な習練と積み上げた技術が裏打されており、自然体かつ安定感がある。見るものは、安心してゆったりとした気持ちで作品と対峙できるが、同時にあふれる生命感に心が動かされ、あきることなく見ていられる。

         光のどか                春の海

描く対象に畏敬の念を持って向き合い、その核心に触れようと努力している竹内さんの、古希回顧展の開催がうれしく、今後年齢を重ねられながら、どのように画面に反映されていくのか、更なる発展と活躍を期待したい。

                  月光那智

<略歴>

1955年 磐田郡佐久間町生まれ                          1974年 磐田南高等学校 理数科卒(高26回卒) 美術部所属                 1981年 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒                 1995年 佐久間歴史と民話の郷会館緞帳「青山」原画制作              1999年 竹内雅明「祈りの絵画展」(細江町立歴史民俗資料館)            2009年 竹内雅明「珠玉の日本画展」(浜松市美術館)                2025年 竹内雅明展(Gallerly CAVE 浜松市)