早いもので高校卒業後26年ですが、同窓会の大先輩方に比べれば、まだ若者と言えるでしょうか(笑)。

週2~3回桶ケ谷沼に

 高校時代、私は生物部に所属していました。当時の顧問の福井順治先生は、トンボ等の研究を熱心にされており、私はその陶酔を受けました。春から秋まで、週に2-3回ほど桶ヶ谷沼に通い、腰まで沼にはまりながら、トンボの羽化調査(要は抜け殻回収)を行いました。春先のベッコウトンボ(絶滅危惧種)やヨツボシトンボに始まり、ショウジョウトンボやチョウトンボ、時にはアオヤンマなどの大型のトンボも混じり、多様なトンボとその季節変化を知りました。

 当時の私は、ただ単に好奇心で取り組んでいただけでしたが、福井先生はその記録を詳細に残してくださり、当時を知る貴重な資料として、今でも保全活動に役立てていらっしゃるそうです。当時、何百匹もいたベッコウトンボは、今では数えるほどしかいないそうで、自然の移ろいを感じます。

自然の摂理を明らかにしたい

 私自身は、理数科を卒業し、東北大学理学部で生物学を学び、さらに大学院に進み、植物の研究で博士号を取得しました。その後7年ほど研究員として国内外を転々とし、9年前から京都大学の教員として、森林の研究や教育に携わっています。国土の67%が森林である日本にとって、国土の自然を理解し、また利用していく上で、森林科学は大切な学問の一つであると考えています。

 森林科学の中にも様々な研究分野があるのですが、私は、樹木が様々な環境の中で、どのように成長・生存するのかという「自然の摂理」を明らかにする研究をしています。またそのような自然の摂理を踏まえて、林業に役立つ樹種の開発(育種)研究も行なっています。

若者に望む 多くのことに挑戦・活躍を

 大学という職場は、毎年、高校卒業後の若者が入ってきます。彼らと私との年齢差は開く一方ですが、昔の自分を思い出しながら、若い彼らが何を求めているのか、また彼らがより成長するためには、私はどうすべきかをよく考えます。私も日本も高齢化していますが、若者には多くのことに挑戦・活躍して欲しいと思います。

 約50歳の天然林の調査後の一コマ(筆者 左から3人目)