磐田南高同窓生の皆様、こんにちは。早いもので、高校卒業以来53年以上の歳月が経ち、今年72歳を迎えます。私は順天堂大学医学部 卒後研修後、入局(現在の代謝内分泌内科)、学位取得後1986年に帰浜して以来、地域医療に専念してまいりました。

当初、浜松北病院の診療体制は急性期医療のみでした。医療技術の進歩や創薬、医学の未知の分野の解明などは、治療成績を向上させ長寿社会を創出しています。しかし、経済と社会構造の変化は少子化社会を誘導し、国民皆保険制度の運営危機を招いています。そこで、世界に冠たるこの制度を崩壊させないために、介護保険の導入や、保険制度改革が段階的に行われ、なんとか保険医療制度を維持してきました。

我々は、それらに合わせた形で慢性期病床、回復期リハビリテーション病床、在宅医療、デイサービスセンターなどを整備し、ケアミックスタイプの医療機関に変身することで、シームレスに医療介護サービスを提供できる態勢を構築してまいりました。さらに進行する高齢化社会に対しては、地域ごとにまとまった効率の良い医療介護を可能とする、地域包括ケアプランを実行しております。

健康寿命の延伸が今後のテーマ

素晴らしいことに80歳代、90歳代でも、お元気な方々がたいへん増えているように思います。日本老年病学会では、本来65歳とされていた高齢者の呼称を65歳から準高齢者(pre-old)、75歳からを高齢者(old)と呼ぶことを提唱しています。単なる寿命延長でなく、健康寿命の更なる延伸が今後のテーマです。医療者として最も大切なことは、受療者との信頼関係を築き上げることであり、また受療者に最大の満足、安心、充実を享受していただくことにあると思い、日々精進しております。