私は3人姉妹の次女として生まれました。初めて母親に「磐南に行きたい」と告げたとき、帰ってきたのは「磐南行ってどうするの?」という困惑した言葉でした。それは、早く就職し早く結婚するのが、娘にとっての幸せという思いからでした。

それでも磐南を卒業し短大に行かせてもらえ就職すると、上司から「あなたは一般職だから」と言われました。

実家に戻り小さな工務店で営業職を始めると、同僚から「一生で一番高い買い物を女の子に任せないよ」と言われました。いつもいつも志をもつ度に遮られる思いでした。その甘やかしが諦めや自信喪失となっていました。

ヤングアメリカンズとの出会い

そんな私が、40歳で転機を迎えました。「ヤングアメリカンズ」。この公演との出会いが始まりでした。200人を超える子どもたちがキャストと共に舞台を作り上げる公演。素直な自分を表現することを楽しんでいる子どもたちは、生きていることを実感しているように見えました。「これを磐田市の子ども達にも届けたい」と、すぐ東京の主催者に電話をしお願いをしました。告げられた誘致への課題は大変なものでしたが、この公演を必ず子どもたちに届けたいという思いは変わらず、1週間後には企画書を持って市長室を訪れていました。

すべてボランティア活動だったので、「よくやるよね」という声もありましたが、それよりもたくさんの方が共感し応援してくれました。そして2016年の初開催・・・・磐田市民文化会館の舞台に立つ子どもたちは、自信に満ちあふれ光輝いていました。「大丈夫、あなたはあなたのままでいいんだよ。たくさんの人があなたを応援しているよ」という、公演を通し私が子どもたちに伝えたかったメッセージは、若かりし頃私が大人に掛けてほしかった言葉だったのかもしれません。 ちょっとした言葉に傷つき長い間ぬぐえないものがありましたが、自分なりの答えを見つけることができました。「大丈夫」という言葉をこれからも伝え続けて行きたいです。